フランシス・ハ

フランシスはなんだか変な姿勢で走り出す。

ちょっとつまずきながら。

世界とフランシスの間には、ボタンの掛け違いのようなちょっとしたズレがある。直したくても直せないからしょうがない。

夢中で疾走する彼女のスピードが世界のスピードにあっていないのだ。でもそこが無性に愛おしいのはなぜだろう?

ゴダール、トリュフォー、カラックス。この作品に至るまでのさまざまな映画たちを思う。

映画というのは、少しズレている。そこに住む、世界とちょっとズレた人々がどうしょうもなく愛おしいのだ。カラックス映画におけるアレックスのような。

休日の夜は、適当に炒めた砂ずりをつまみに、昼間に豆田町で買ってきた日本酒を少しずつ飲みながら、つらつらと映画のことを文章にすることが最近の至福になりつつある23歳女子(ちなみに好きな歌手はちあきなおみ)も、世界とのちょっとしたズレを抱えながら、なんとか生きている。

映画雑感ー本屋時々映画とドラマ

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